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超伝導磁気浮上型ねじれアンテナと低周波重力波探索

本研究の目的は地上での低周波重力波探索である。 そのために、超伝導磁気浮上を用いたねじれアンテナを開発し、 2009年夏に観測運転を行った。 プレリミナリの解析の結果、PSR J2144-3933起源の連続重力波の振幅に対して、 頻度主義的上限値 2.8x10^-9、ベイズ的上限値 8.4x10^-10を95%の信頼度で得た。 また、宇宙の臨界密度で規格化された重力波のエネルギー密度に対して8.1x10^17の 頻度主義的な上限値を95%の信頼度で与えた。

背景

低周波 (1mHz - 1 Hz)重力波は我々の宇宙に対する理解に劇的な革命をもたらすと考えられている。 この周波数領域には初期宇宙での宇宙自身に起因する重力波や 超巨大-中間質量ブラックホール起源の重力波があると考えられている。 それらを詳細に解析することで、晴れ上がり以前の初期宇宙の様子、 宇宙の構造形成におけるブラックホールの役割や超巨大ブラックホール形成メカニズムの解明が可能である。 このような低周波重力波を探索するために、いくつかの宇宙重力波検出器が提案されている。 しかし、宇宙ミッションには打ち上げの失敗、チューニングの困難さ、長期運転の難しさ、宇宙線や太陽風に 起因する様々なトラブルなどリスクにあふれている。そこで、我々は地上において低周波に感度を持つ 重力波検出器を実現することが重要であると考える。

超伝導磁気浮上型ねじれアンテナ

我々はねじれ振り子を利用した新しい地上低周波重力波検出器を提案した [1]。 ねじれ振り子は力の精密測定で広く使われている装置であり、試験質量とそれを支持する 機構からなっている。我々は、試験質量を重力波による潮汐力に最適化し、支持機構を超伝導磁気浮上で 実現することで、低雑音で低周波にまで感度を持つ超伝導磁気浮上型ねじれアンテナを構成する。
例えば、長さ10mの試験質量をダンピング定数10^-15程度の低ロスで支持できたとすると、次のような重力波に対する感度を得ることができる。

ultimate_sens.png

この感度をブラックホール起源の重力波に対する検出可能距離に焼き直したのが下図である。 ブラックホールのインスパイラルと準固有振動 (QNM)それぞれに対して中間質量ブラックホールを、 数10Mpcで遠方まで観測することが可能である。

obs_range.png

プロトタイプ

我々は超伝導磁気浮上型ねじれアンテナの現実的な性能を調べるために東京大学本郷キャンパス理学部旧1号館にプロトタイプを開発した。プロトタイプの概要は下図で示される。このプロトタイプの目的は、現実的な系における力学特性と雑音特性を調べることである。さらに、感度は悪いが世界で初めて低周波 (0.1-1 Hz)の 重力波を探索することである。

fig_yoshi1.png

性能評価

低周波重力波探索

PSR J2144-3933

背景重力波

参考文献

[1] M. Ando et al., 7th Amaldi conference on Gravitational Waves. [2] K. Ishidoshiro et al., Submitted to Physical C


添付ファイル: fileobs_range.png 576件 [詳細] fileultimate_sens.png 579件 [詳細] filefig_yoshi1.png 618件 [詳細]

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Last-modified: 2013-07-09 (火) 14:50:24 (1535d)