Fedora Core1 をCF-T2にインストール

初版:2003/11/14
最終更新:2004/5/20

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最近RedHat9.0でup2dateを行ったらなぜかXが立ち上がらなくなり、さらにup2date自体もうまく動かなくなってしまったので、この際 Fedoraにアップグレードする事にしました。

Fedoraのインストール自体はRedHat 9.0と何ら変わりません。
また、多くのTipsはRedHat9.0と共通で使えると思います。

ここでは私がFedora Core1のインストールに際して経験した問題と解決法を書きます。(以前のTipsでFedoraでもそのまま適用可能なものが多数あります。こちらもご覧下さい。)

最近FC2にアップデートしました。こちらに情報があります。

目次


Fedora Kernelの再構築

デ フォルトロケールの変更

PC カードが認識されない?

XFT2でアンチエイリアスが効かないフォントがある


XWNMOを使っているとFlash Pluginがクラッシュする


ALSAを使う

TeXの日本語フォントが汚い


DVI ファイルからPDFを作る

Mozilla Thunderbirdを使う

Link集

Fedora Kernelの再構築

Fedora Core1のカーネルをCF-T2で使う際に問題になるのが、次の2点です。
  1. CPUFreqがCentrino 1GHzをサポートしていない。
  2. サスペンドができない。
このうち、1番目はソースにパッチを当てて再コンパイルすることで直ります。
方法は、CF-T2へのLinuxインストールCPUFreqの節で解説している通りです。
ただし、FedoraのカーネルにはすでにCPUFreqパッチが当たっているので、speedstep-centrino.cに対するパッチを当てるだ けでO.K.です。
私は、kernel-source-2.4.22-1.2115.nptl.i386.rpm をインストールして、/usr/src/linux-2.4以下に展開されたソースにパッチを当てました。
なお私の経験したところでは、このカーネルソースでCPUのタイプをPentium IIIにするとコンパイル途中でエラーが出てしまいました。これはイマイチですね、、。
2003/12/24追記: これはコンパイルをする前にmake mrproperを行っていなかったからのようです。
                make mrproperを行ったあとに通常のコンパイル手順を踏めばほとんど問題は起こりません。

問題は2番目の点です。Fedora用のkernelはNPTLをサポートするなど、いろいろとカスタマイズされているのですが、そのおかげで swsuspパッチがそのままでは当たりません(これはRedHat9.0も同じですが、、)。
Fedoraメーリングリストを見る限り、何人かの人がFedoraカーネルにswsuspを入れる試みをしているようですが、リリースされたFC1用の パッチは見当たりませんでした。
とりあえずこの問題は未解決です。ただし、NPTLをあきらめてCF-T2へのLinuxインストール で書いたように標準のkernel-sourceをダウンロードしてきていろいろパッチを当てて使えばswsuspも使えるでしょう。

デフォ ルトロケールの変更

Fedora Core 1ではデフォルトの日本語ロケールがja_JP.UTF-8になっています。
これは、いろいろと不具合を起こすと騒がれています。
私はいろいろ試した結果、次のようにしてデフォルトロケールをja_JP.eucjpに変更しました。
私の経験ではこの設定が一番、問題を回避できるようです。
変更するのは次のファイル。
/etc/sysconfig/i18n

この中身を、

LANG="ja_JP.eucjp"
SUPPORTED="ja_JP.eucjp:ja_JP:ja"
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"

というように書き換えます。オリジナルのファイルは何かのときのためにバックアップを取っておくと良いでしょう。
この設定では一部日本語manページがうまく表示されないという不具合が起こりますが、その他は特に問題を感じません。manページの問題は、英語版の manページを表示させることで回避しています。
例)
man rpm
とすると、エラーがドバーっと出る。そこで、
env LANG=C man rpm
とすれば、英語のmanページが表示されてめでたしめでたし。
alias eman env LANG=C man
とでもしておけば便利。

PCカードが認識され ない?

Fedoraでカーネルを再構築後、madwifiで無線LANカードを認識しようとしても、全然認識してくれないという現象に陥りました。これは、 /lib/modules/kernel-version/pcmcia というディレクトリの存在が原因のようです。この中にはPCカード関連のモジュールへのシンボリックリンクがたくさん入っているのですが、これを例えば、
#mv pcmcia ../
#depmod
のように一つ上のディレクトリに待避させてからdepmodすると、PCカードを認識してくれます。
本質的に何がいけないのかは理解していませんが、、、。

XFT2 でアンチエイリアスが効かないフォントがある

RedHat9.0のリテール版に付いてきたRicohのTrueTypeフォントをFC1にインストールしてみたのですが、どうもアンチエイリアスが効 きません、、。もうすでにアンチエイリアス無しでは生きていけない体になってしまったので(笑)、これは原因を探らなければなりません。

結論ですが、これはTrueTypeフォントに埋め込まれているビットマップフォントを優先的に使う設定になっているからです。解決方法は、次のような設 定を ~/.fonts.conf に書いてログインし直すだけです。

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd">
<!-- /etc/fonts/fonts.conf file to configure system font access -->
<fontconfig>
<match target="font">
    <edit name="rh_prefer_bitmaps" mode="assign">
        <bool>false</bool>
    </edit>
</match>
</fontconfig>

ここでは、rh_prefer_bitmapsという機能をdisableしているわけですが、これは埋め込みビットマップフォントを優先するという機能 をoffする事に相当します。
なお、XFT及びfontconfig関連の設定情報は、http://fontconfig.freedesktop.org/ に詳しく載っています。
また、上の方法は各ユーザが設定を行う方法ですが、全ユーザに対して一括で設定を行いたい場合、同じ設定を/etc/fonts/local.confに 対して行います。

XWNMOを使っているとFlash Pluginがクラッシュする 

MozillaやFirebirdでFlash Pluginを使っていたのですが、ある日突然Flashのあるページを見るとクラッシュするようになりました。どうも、Fedoraのアップデートで glibcが更新された後にこの現象が起こるようになったようです。
さて原因ですが、XWNMOにあるようです。試しにunsetenv XMODIFIERS としてMozillaなりFirebirdなりを起動してみると、問題なくFlashが見られます。
しかし、XMODIFIERSを消してしまうと検索フォームなどに日本語が入力できなくなってしまうので困ります。
やはりXWNMOは使いにくいということで、XIMをkinput2に変更しました。変更方法はRedHat9.0と同じです。

ALSAを使う

PLIBを使ったゲーム(FlightGearやTORCS 等)をインストールしたところ、なぜか音がでませんでした。
理由は、PLIBでは8bitの入力を/dev/dspがサポートしていなければならないのに、kernel付属のi810用ドライバーは16bitしか サポートしていないという点にありました。
そこで、ALSAをインストールすることにしました。
方法は、まずFreshrpms からalsa-driverのSRPMをダウンロードしてきます。
それをインストールしてrpmbuildしてもいいのですが、私はFedora付属のカーネルをそのまま使っているわけではないので、自分でコンパイルす ることにします。
/usr/src/redhat/SOURCES/ 以下にあるalsa-driver-0.9.8.tar.bz2を展開して、同じディレクトリにあるパッチを当てます。
その後、alsa-driver-0.9.8に移動して、
./configure --with-cards=intel8x0
でコンパイル環境を整えます。その後に
mkdir -p include/linux
touch include/linux/workqueue.h
を実行します。これはRedHatが行ったKernelへの変更に対する対策です。
snd.oが unresolved symbol schedule_work というエラーでうまくロードされない問題を解決します。
あとはmake;make installです。

/etc/modules.confの
alias sound-slot-0 i810_audio
という行を消して、以下の行を追加します。

alias sound-slot-0      snd-intel8x0
add below sound-slot-0  snd-pcm-oss snd-mixer-oss

最後にdepmodを実行するか再起動します。
これで/dev/dspが16bitもサポートしてPLIBを使ったゲームから音がでるはずです。

TeX の日本語フォントが汚い

Fedora Core 1に移行してから気づいたことなのですが、TeXを使って文章を書くと、日本語フォントがとてもかっこ悪いのです。TeXのフォント関係は、 PostScriptの知識や、VFlibの素養が要求されてとても複雑なので、できれば手を出したくないのですが、あまりのフォントの汚さにちょっとい じってみることにしました。xdviやdvipsはVFlibを使っているはずなので、/etc/vfontcap.jaを覗いてみると、

min:\
        :fc=r-kochi-mincho:
goth:\
        :fc=r-kochi-gothic:

r-kochi-mincho:\
       :ft=freetype:\
       :ff=/usr/share/fonts/ja/TrueType/kochi-mincho-subst.ttf:
r-kochi-gothic:\
       :ft=freetype:\
       :ff=/usr/share/fonts/ja/TrueType/kochi-gothic-subst.ttf:

などと書いてあります。
これはかっこ悪いのも当然です。kochi-gothic-subst.ttfなどと書いてありますが、東風フォントは元となる渡辺フォントの盗作問題に 絡んで配布停止になってしまったので、それを権利的に問題のないフォントで置き換えた *-subst フォントが使われているわけです。しかし、あくまでその場しのぎ的な意味合いが強いフォントなので、字体はあまり綺麗ではないわけです。
ということでこれを何らかのフォントに置き換えてやればましになりそうです。
私はRedHat9.0に付いてきたricohのTrueTypeフォントをインストールしてあるので、こいつを使います。
rootになって、
cd /usr/share/fonts/ja/TrueType/ricoh/
ttindex hgrgbbmp.ttc
ttindex hgrmlbmp.ttc
を実行して、*.ttiファイルをつくります。

その上で、/etc/vfontcap.jaを編集して、
 
r-kochi-mincho:\
       :ft=freetype:\
       :ff=/usr/share/fonts/ja/TrueType/ricoh/hgrmlbmp.ttc:
r-kochi-gothic:\
       :ft=freetype:\
       :ff=/usr/share/fonts/ja/TrueType/ricoh/hgrgbbmp.ttc:

とします。これで、xdviやdvipsではHGゴシックBや明朝Lが使われます。

DVIファイ ルからPDFを作る。

Linux上でdviファイルからPDFを作るには、dvipdfmを使うのが最近の流行りです。
Debianでは日本語化されたdvipdfmがパッケージとして用意されていたと思いますが、RedHatやFedoraでは日本語の通らないものしか インストールされません(teTeX付属のもの)。
そこで、CJK対応したdvipdfmxをイン ストールします。
最新のリリース版をダウンロードしてきたら、展開して、
./configure --prefix=/usr
make ; make install
でインストールします。
dvipdfmxは *.cmap というファイルがたくさん必要なのですが、私は次のように設定しました。

cd /usr/share/texmf/dvipdfm
ln -s /usr/local/Acrobat5/Resource/Font .

ただし、これは/usr/local/以下にAcrobatReaderがインストールされ、かつ日本語パックがインストールされていることが前提です。 ghostscriptをインストールしてあれば、/usr/share/ghostscript/Resource を上記と同じようにシンボリックリンクしても良いそうですが、未確認です。
以上の作業が完了したら一旦、mktexlsrを走らせます。
これで、
dvipdfmx  hoge.dvi
とすれば、hoge.pdfが出力されるはずです。

dvipdfmの使い方に関しては、前出のdvipdfmx サイトのほか、dvipdfmで日 本語PDFを作るや、dvipdfm の日本語化が参考になります。頑張ればサムネイルやしおりも作れます。

Mozilla Thunderbirdを使う

最近メーラーとして使っているThunderbirdについて、Tipsを書きます。
Thunderbirdの入手は、http://www.mozilla.org/projects/thunderbird/index.html から入手できます。
私がこの記事を書いている時点で最新版は0.4です。
その他に有用なリンクを張っておきます。

日本語版プロ ジェクトページ
ヘルプページ (日本語)
は じめてのThunderbird (日 本語)

さてTipsですが、

1. 日本語の署名を付ける

メールを作成するとき、自動的に署名が挿入される機能というのはメーラーの基本機能ですが、もちろんThunderbirdにもあります。
[Tools]->[Account Settings] から、Attach this signature: というところにファイルを指定すれば、そのファイルの内容を自動的に署名として張付けてくれます。このファイルはプレーンテキストである必要があります。 また、文字コードはEUC-JPにすると日本語でも大丈夫です。私はFedoraでも、デフォルトのロケールをja_JP.eucjpに設定しているので すが、デ フォルトロケールがUTF-8の場合どうなるのかは不明です。

2. メール中のURLをFirebirdで開く

Thunderbirdはまだベータ段階なので、メール中に出てくるURLをクリックしても何も起こらないという状態が長く続きました(Linux版)。 しかし最近この状況に一歩前進が見られました。ちょっと面倒ですが、次のような手順で設定後、URLをクリックするとブラウザを立ち上げることができるよ うになり ます。(参 考)

ここではブラウザとして、Mozilla Firebirdを使う例を示します。
私は、Firebirdを、$HOME/bin/firebird 以下にインストールしてあります。
また、Thunderbirdは $HOME/bin/thunderbird 以下にインストールしてあります。
まず、次のような内容のファイルを作成し、実行パスが通ったところに置きます。

-----------ここから---------------
#!/bin/sh
 
export MOZILLA_FIVE_HOME=$HOME/bin/firebird
export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:$MOZILLA_FIVE_HOME
 
# get URL to load
url=$1; [ -z $url ] && url=about:blank
 
# try xremote first
$HOME/bin/thunderbird/mozilla-xremote-client openURL\($url\) && exit 0
 
# if xremote failed, then launch the browser
exec $MOZILLA_FIVE_HOME/MozillaFirebird $url
----------ここまで---------------------

私は、/usr/local/bin/dispach-url.sh として保存しました。
chmod 755 dispach-url.sh で実行可能にします。
あとは、gnome2の設定で、お気に入りのブラウザとして上のファイルを指定します。
gnome2を使っていない場合は、user.jsに以下の行を追加すればいいようです(未確認)。

user_pref("network.protocol-handler.app.http", "/usr/local/bin/dispach-url.sh");

Link集

FedoraNEWS.Org

Fedora関連のニュースを扱うサイト。Fedora本家のWebページよりも情報が多かったりします。
特に、Tipsや、Articlesは非常に参考になるものが多いです。
以下に、私が特に参考にしたものを列記すると、
Burning DVD on X-CD-Roast with cdrecord-ProDVD DVDの焼き方

Webページエディタnvu

Mozillaスィートから、コンポーザーだけを抜き出したようなものです。
軽量かつきれいなHTMLを出力するのでこのページを書くのに使っています。

ReKall

MicrosoftAccessのような、データベースフロントエンドです(と言っても、私はAccessを使ったことがないので、比較できないんです が、、)。PostgreSQLやMySQLのフロントエンドとして、テーブルの作成や管理、フォームやレポートの作成が出来て、pythonスクリプト で複雑な仕事もこなせます。あまり有名ではないようですが、かなり使えるものだと思います。

GLAME

wavファイルの編集を行うためのソフトです。各種エフェクトが充実していて、手軽に使うのには便利。