理学部1号館では、建物のどこかに大きなガス冷房/暖房設備があり、そこで冷却/加熱された水が配管を通って全館を循環している。ただし、冷水と温水が両方同時に通っているわけではない。配管は一つで、ここに夏は冷水、冬は温水が通されるらしい。そのON/OFFと、温度設定は中央管理であり、我々には手が出せない。
604号室の空調機は、この配管に風を当てて冷やしたり温めたりした後、部屋へと送風しているらしい。実際には天井裏に弁があり、配管経由の空気と、外気を適当な割合で混合して空調機からの給気温度を調節している。我々が変更可能なのはこの弁の開き具合を調節して給気温度を変えることだけである。
(ガス冷房の仕組みが知りたい人はこちら。)
空調機の制御盤は、604号室に入って左奥の壁と、その壁を挟んで反対側の二箇所に設置されている。
空調機全体のON/OFFは、手前の部屋にある制御盤の左側で行う。ON/OFFボタンの組が三つ並んでいるが、一番左が手前の部屋の空調、真ん中は奥の部屋の空調、右は換気装置のON/OFFボタンである。
室温の設定は、各部屋のコントロールパネルで行う。 以下にコントロールパネルの外観を示す。
三つの制御ユニットが並んでおり、それぞれに、PV, SPという液晶表示部が存在する。 PVが何の略かは定かでないが、Present Valueかそのあたりの意味であろう。ここには室内の温度、給気温度、湿度等の現在の値が表示される。SPはSet Pointであろう。つまり制御の目標値である。
空調の最も一般的な使い方は、室温を設定温度に保つことであろう。そのための手順を示す。
以上で室温自動制御ループが動き始めるので、しばらくすると室温は設定温度に落ち着くはずである。なお、LEDの点灯状態は上の写真のようになっているはずである。
上記の設定をしても室温が変わらない場合は、中央が冷水/温水の循環を止めている可能性が高い。その場合は、空調を切ってあきらめる。