計画研究 コ : データ解析法の研究
[研究組織]
氏名 所属 ・職 専門 役割分担 代表 佐々木 節 京都大学 ・ 基礎物理学研究所 ・教授 相対論 ・ 宇宙論 データ解析法の理論的考察、研究の総括 分担 田越 秀行 大阪大学 ・ 大学院理学研究科 ・助手 宇宙物理学 データ解析ソフトウエア開発
[研究の概要と目的]
TAMA300 で検出が期待される重力波源、特にコンパクト連星系に関して、その理論的予測波形を基に、TAMA300 の性能を最大限に生かした高速 ・ 高性能のデータ解析法を開発する。 本計画研究では、TAMA300 が検出可能な、様々な重力波源からの重力波を検出するためのデータ解析の方法を研究、開発する。 特にコンパクト連星系からの重力波の理論的予測波形に基づいて、TAMA300の特性 ・ 性能を最大限に生かしたマッチドフィルターによる解析方法を確立する。 その際には、実際の検出器が持つ非ガウス的ノイズと本物の重力波を選別する方法も研究する。 さらに、中規模のコンピュータクラスタ を構築し、その上で並列化されたデータ解析コードの開発を行い、 実際のデータ処理に適用する。
[年次計画]
平成 14 年度
既存の計算機システムの基で最適化マッチドフ ィ ルター法の理論的基礎研究を進め、これまでに得られたTAMA300 のデータを使 って、具体的な問題点を洗いだし、データ解析法開発の基本路線を決定する。
平成 15 年度
実際の連続観測で得られるデータの規模 (一日あたり 30 GByte 程度) への対応が可能な、 新たな並列化専用計算機システムを設計 ・ 構築する。 また、その新しいシステムの基で既存のTAMA300 データを試験解析し、検出器の非ガウス的ノイズを本物の重力波から選別する手法を開発する。
平成 16 年度
TAMA300 の本格的データ取得に合わせて、前年度までに開発したデータ解析法を長時間観測データに適用し、その実効性をテストするとともに、さらに改良を加える。 同時に計算機システムを拡張する。
平成 17 年度
さらに計算機システムを拡張し、TAMA300 の特性を最大限に生かしたデータ解析法を確立する。