- 重力波セッション : 三日目 (Sunday 25 August)
High-Frequency Gravitational-Wave Detectorsのサブセッションの二日目。現存する重力波検出器の現状と成果、今後の計画など。どの話もそれぞれ聞き所があった。
SESSION 7 : Gravitational Wave Detectors
- Resonant detectors and interferometers can work together,
W. O. Hamilton, Louisiana State Univ.
- Hamiltonではなく代理の人が話していた。聞きそびれてしまった。
- Physics with resonant-mass detectors,
E. Coccia, Univ. degli Studi di Roma Tor Vergata and Istituto Nazionale
di Fisica Nucleare (Italy)
- バースト重力波に対する共振型と干渉計型の感度の比較。得られる重力波パワーは解析するバンド幅と時間スケールに依存するので、共振型
2x10^-22 /sqrt(Hz), BW=1Hz (Nautilus)と、干渉計 5x10^-21 /sqrt(Hz), BW=600Hz
(TAMA)が同等の感度である、との議論。その他、共振型アンテナでの宇宙線検出や、sphare
detectorの話。
- GEO600 gravitational wave detector,
B. Willke, Max-Planck-Institut fur Gravitationsphysik
- GEOの現状報告。2001年末の15日分の観測データに対して、Matched filtering解析を行っているところ。現在の感度は、5x10^-20
/sqrt(Hz) @ >1kHz。Signal recycling無しの、Power-recycled Michelsonではあるが、結構良い感度が出ているのには、少し驚いた。会議中にはLIGOとの同時観測が始まっていたが、現在56時間連続で動いている、とのリアルタイム報告をしていた。
- Status of LIGO,
G. H. Sanders, California Institute of Technology
- 最初に、「今回が最後の現状報告であって、次回からはScientificな結果を報告できるだろう」と述べて講演を始めた。感度は、Livingstone 4kで5x10^-21 /sqrt(Hz)と言っていた。現在S1実施中で、GEOとTAMAとの同時観測であることが述べられていた。S2は2003年始め頃に6週間、S3は2003年後半に数ヶ月行うとのこと。S3は、upper limitではなく、重力波検出を目指した'true search'という位置付けで行うそうだ。
- Observation run of TAMA GW detector,
M.Ando, University of Tokyo,
- TAMAの成果報告。時間の都合で、やや駆け足になったが、DT6とそのデータ解析を中心に一通り話をした。使用した資料はこちら。
- Virgo project,
A. Giazotto, VIRGO (Italy)
- キャンセル。こういう会議で誰も話さないのは、プロジェクトとして如何なものかと思った。
SESSION 8 : The Future of Gravitational Wave Detectors
- Status of the Australian Consortium for interferometric gravitational astronomy,
D. E. McClelland, Australian National Univ. (Australia)
- 代理で、M.Grayが発表。彼はフランスにいたりアメリカにいたり、オーストラリアにいたり、神出鬼没だ。オーストラリアでの活動のoverviewをしていた。オーストラリアのサイトの意味合い、ハイパワーレーザーの開発、熱レンズをキャンセルする研究、Ginginの防振システム、Nd
flexture支持、熱雑音の直接測定、スクイージング、可変反射率ミラーなど。
- Advanced interferometer configurations,
D. E. McClelland, Australian National Univ. (Australia)
- これもM.Grayが報告。Michelson干渉計やFP共振器を用いた可変反射率ミラーの(VRSM)開発。シグナルリサイクリングミラー(もしくはシグナルエクストラクションミラー)として用いることで、狭帯域特性を変えることができる。また、スクイージングによって、PRMIにおいてshot noiseが2.3dB改善された結果(Phys. Rev.Lett. 88 (2002) 231102)を示していた。
- Second generation gravitational wave detectors,
P. Fritschel, Massachusetts Institute of Technology
- LIGO IIのデザインの話。2x10^-24 /sqrt(Hz)が目標感度。様々な干渉計パラメータについて議論していた。180W
laser source、40kg sapphiire mirror、腕内パワーは830kW、4段振り子+アクティブ防振など。2006年にインストール開始で2009年に観測開始の予定。
- Advanced ground-based interferometric gravitational-wave
detectors,A. Buonanno, California Institute of Technology and Institut d'Astrophysique de Paris (France)
- Test mass materials for a new generation of gravitational wave detectors,
S. Rowan, Stanford Univ. and Univ. of Glasgow
- 主にミラー基材としてのシリコンの可能性を議論。常温・低温での特性などを述べていた。シリコンを使うために必要となる反射型干渉計についての議論はなかった。
第三日目、以上。